白血球の種類

主に感染や外部の敵(異物)とたたかう細胞

  • 好中球
    好中球は白血球の半分以上を占め、体内に侵入した細菌、カビなどをいち早く発見して処理する中心的な役割を担っています。
  • リンパ球
    リンパ球は免疫反応に中心的に関与する白血球です。免疫とは、細菌、ウイルス、寄生虫などの病原微生物以外にも異物, 他人の細胞、体内でがん化した細胞など「自分以外のもの」を識別して排除する仕組みです。リンパ球にはT細胞、B細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞などの種類があり、連携して免疫反応に関与します。
  • 好酸球
    好酸球はアレルギー(喘息、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎など)に関与する白血球です。
  • 好塩基球
    好塩基球の働きは良く分かっていませんでしたが、最近、好酸球と同様にアレルギー反応に関わることが分かってきています。
  • 単球
    単球は好中球より大型の白血球です。好中球と同じように細菌などを処理します。それ以外にも、マクロファージと呼ばれるより大型の細胞に成長(分化)します。具体的なはたらきは、リンパ球による免疫反応を補助すること。また、傷んだ細胞や老廃物を処理するなどの特殊な働きを担います。

1. 白血球数の増加

白血球数とは5種類の白血球の総数です。おおむね10000/μL以上は異常高値と判定され、多くの場合は好中球の増加が原因です。細菌感染症や血管にかかるストレスが原因のことが多いですが、がん、心筋梗塞、事故などによる外傷なども原因となりえます。
また、白血病など、白血球が異常に増加する血液のがんもあります。

2. 白血球数の減少

白血球数がおおむね3500/μL以下の状態で、多くの場合は好中球の減少によります。風邪などのウイルスに感染した場合に一時的に低下することも多いですが、白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、再生不良性貧血などの血液疾患や薬(抗がん剤、甲状腺治療薬、精神科治療薬など)の副作用などの重大な問題が隠れている場合もあります。健診などで指摘された場合はすぐに再検査を受けましょう。

3. 白血球の質的異常 白血球分類(分画)・遺伝子/染色体の異常

上記5種類の白血球それぞれの比率(内訳)を調べる検査を白血球分類といいます。ただし、あるタイプの白血球の比率が高いのは、要注意です。その白血球が多いせいか、他の白血球が減少しているせいなのかを考えることが必要です。また、血液学的に顕微鏡を用いた血球形態も重要な情報を持っております。適宜臨床検査技師と連携して検査を行います。造血のための設計図である遺伝子・染色体の異常がそもそも原因のがあります。こちらは特殊検査で判明する検査項目になります。同じように、適切なタイミングで精密検査を行います。