酸素が足りないと脳が感じることで息苦しくなる。
一口に、『貧血の症状がある』といっても色々な原因でそれが起こっている事が多いです。
一般的な貧血としては、息苦しさや動悸・頻脈が多いのですが、頭痛・胃痛・立ち眩みなど関連して引き起こす症状もあります。貧血の精査を行っていますので、赤血球の異常もご参考にしてください。
1. 立ち眩み
湯上り、炎天下の朝礼や肉体労働、満員電車などで、目の前が暗くなり、時には意識を失って倒れてしまう症状です。立ちくらみは、多くの場合「脳貧血(脳虚血とも表現される)」です。脳貧血は、体を起こした際に重力の影響で血液が脳から足の方に下がってしまうことで起こり、脳血流を調節する自律神経が十分に働かないことが原因です。本当の貧血とはあまり関係なく、多くの場合採血をしても異常がみられません。
脳貧血を防ぐには、朝起きた時にしっかり水分を取る、寝不足や過労を避けるなどが大切です。それでも立ちくらみが起きてしまった場合は、涼しいところに横になり、足を頭より高い位置に挙げてしばらく休んでください。御高齢(または大酒飲み)の方では、以前の転倒により硬膜下血腫を起こされて慢性的な症状として顕在化することもあります。当院では、脳実質の器質的な異常(出血や腫瘍)がないかを頭部CT検査で精査することが可能です。
2. 身体を動かした時の動悸・息切れ
普通に、階段を上り下りで身体を動かした程度で動悸や息切れが起こるのは要注意です。少し筋肉を使っただけの運動で、酸素不足を示しています。悩まず早めに医療機関を受診するようにしましょう。
- 肺の病気(酸素をうまく取り込めない)→呼吸機能検査、X線撮影、CT検査が有効です
- 心臓の病気(血液を有効に循環させられない)→心電図、心臓超音波検査が有効です
- 貧血(酸素を運ぶ赤血球が少ない)
3. 安静時の動悸・息切れ
夜、布団に入ってから動機や息切れが起こる場合は、以下のような原因が考えられます。
- 心臓の病気(横になると肺に水が溜まる)
- 喘息(夜間に発作が起こりやすい。また、横になると痰を出しにくい)
- 不安やストレス(寝ようとした時に息ができない不安感に襲われる)
- 胃痛・慢性胃炎(貧血の症状、かつストレスでも引き起ることもある)