症状・原因となる疾患
眠ることができない。いわゆる不眠の症状を紐解くと、実際にはいろいろあります。
寝てもすぐに目が覚めてしまう(中途覚醒)、朝いつもより早く目覚めてしまう(早朝覚醒)、さらにはぐっすり眠った感じがしない(熟眠障害)といった症状が典型的です。症状を整理し、原因がわかれば生活習慣の改善やお体にあったお薬を服用することにより、睡眠の質を高めて不調を緩和することにつながります。
不眠症の治療とは
不眠の治療
- 原因となる疾患をしっかり検査します。
- 原因があればそちらの治療を優先します。
- 日常における生活習慣指導を行います。睡眠時無呼吸症候群の治療も有効です。
- 十分な効果がない場合は睡眠薬による薬物療法を行います。一般的な睡眠薬の他に抗うつ薬や精神安定剤なども不眠の治療に用いられます。
- 必要に応じて速やかに専門機関へご紹介いたします。
不眠症の主な原因
不眠の原因となる疾患・症状 |
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・加齢 ・うつ病、不安障害、統合失調症などの精神疾患 ・ステロイド、降圧薬、インターフェロンなどの薬剤 ・睡眠時無呼吸症候群 ・むずむず脚症候群 ・周期性四肢運動障害 ・レム睡眠行動障害 ・頻尿(前立腺肥大など) ・かゆみ(アトピー性皮膚炎など) ・痛み(がん性疼痛、整形外科的疼痛など) |
生活上の注意や工夫
生活習慣上の工夫①(睡眠時間と光) |
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・起床時刻を一定にし、朝日を浴びる ・夜9時過ぎからは間接照明にし、PC・スマートフォンの使用を控える ・平日の床に入る時間・出る時間のバラツキを30分以内とする ・週末も、床に入る時間・出る時間は平日から1時間以上ずらさない ・睡眠時間は0時から6時を中心に7時間程度がベスト ・高齢者は6時間眠ればよい、長時間睡眠は不眠の原因となる ・ヒトは2歳で12時間、20歳で8時間、70歳で6時間眠れる |
生活習慣上の工夫②(生活の工夫) |
・好きな仕事をし、適度な運動をして、趣味を大切にする ・人間関係を大切にし、暇にならないようにする ・夕方以降のカフェインを控える ・アルコールの摂取は少量にし、床に入る3時間前に終える ・就寝前のタバコを控える ・昼寝は30分以内にする ・夕食は、温かくて、辛いもので体を温める ・夜は、軽い運動をして、ぬるめの風呂に長めにつかる |
生活習慣上の工夫③(寝室環境) |
・入眠中は、不安にならない最低の明るさがよい ・静か過ぎる場合には、多少音が出る時計・エアコンにする ・夏のエアコンの設定は、27~29度でつけっぱなしがよい ・冬の暖房の設定は、18~20度にして加湿器を使う ・夏は、上掛けをお腹に横向きに使い、寝返りではだけないようにする ・冷え症の方は、手袋・靴下をして寝たほうが良い ・枕は、女性は低め・柔らかめ、男性は高め・硬めがよい ・遮光カーテンにし、起床とともに全開にする |