危険な頭部打撲とその検査・治療法
頭部打撲
原因の多くは、日常生活やスポーツの中にあります。歩行や階段での転倒、運動中の激しい接触が一般的です。また交通事故などで頭を強く打ってしまう事により起こります。高齢者は、全身の筋力の低下の他、バランス障害をかかられています。自律神経の障害などにより転倒・頭部打撲が若年層と比して多く発生してしまいます。頭部打撲には、たんこぶ(皮下血腫)から頭蓋骨骨折までは異なります。とくに、硬膜下出血、硬膜外血腫、脳挫傷などの疾患となることもあります。頭の打ち方によって対処方法が大きく変わってきます。
頭の打った場所や強さで頭蓋内の出血が起こってしまうと大変です。
血腫が脳を圧迫してしまうと、手足の麻痺や言葉の障害(後遺症)をします。場合によっては死に至る事があるため早めの対処が必要となります。基礎疾患(血液疾患や肝硬変など)や抗凝固薬を内服されている方は注意しましょう。出血が止まりにくいケースでは命の危険にさらされることがあります。
ケース毎に、転倒の原因を考えアドバイスに基づいて生活していく必要があります。
また怪我をしてから1か月程経ったあとで脳の表面に血腫がたまることがあります。これを慢性硬膜下血腫といいます。脳神経外科の処置・手術を必要とすることが一般的です。
頭部打撲の検査
まずは細かいを伺い、丁寧な診察がたいせつです。頭部の痛みの場所や症状、どのような動きで頭を打ったかなど詳しく問診を行います。さらに、CT検査などで脳実質に損傷がないか確認します。
※ご本人から聴取できないこともあります。ご病状の説明をしますので、御家族や介護員と一緒にご受診していただきます。
頭部打撲の治療
治療はおもに保存的療法と外科的療法の二つがあります。
頭部・顔面の外傷の程度により処置または専門病院への救急搬送を行います。
意識の状態はもっとも大切です。かくれた内科疾患が見つかることもあります。危険な症状(意識がもうろうとする・めまい・頭痛・吐き気)があった場合には、速やかに頭部CT検査を行い脳の損傷の有無や程度を確認します。
保存療法(当院で可能)
※当院を受診される際は、お電話にて必ずご連絡ください。
保存的療法として、日常生活での安静を基本とします。頭部の腫れや打撲によるズキズキした痛みの症状がある場合は、痛み止めや漢方薬での血腫を吸収を促す治療を行います。また、24時間~72時間は腫れや痛みが悪化しやすいので注意が必要です。症状を抑えるために、氷のうや湿布、内服薬にて経過をみます。
外科的療法(当院では対応不可)
おおむね、入院治療が原則となります。
頭痛・嘔吐・手足の麻痺・意識障害(意識がもうろう)などの危険な症状がある場合は、専門医(脳神経外科・眼科・耳鼻咽喉科・形成外科など)による検査や治療、外科的処置が必要です。
※頭部打撲で上記の症状がある場合はその場から救急搬送を依頼しましょう。