10月に入り、感冒症状の方が増えてきております。

生活の中で以下のような感染対策について改めて意識が必要になります。

  • 手洗い・うがいの徹底
  • マスクの着用
  • 室内の換気
  • 適度な湿度の維持
  • バランスの良い食事と十分な睡眠
  • ワクチン接種の検討

2025年度の新型コロナワクチンは高額ではありますが、毎年供給されている予防効果が高いインフルエンザワクチン接種については、ご検討いただくとともに、接種計画を立てていただくと良いかと思います。

発熱や喉の痛み、体のだるさなどが出たときは、「ただの風邪かもしれない」と様子を見る方も多いかもしれませんが、季節性インフルエンザや新型コロナウイルス感染症が流行している時期ですので、症状が出た際には、早めに検査・診断を受けることをお勧めいたします。


🔬 検査を受けるタイミング

発症(発熱や喉の痛みなどの症状が出た)から 12~48時間以内 に検査を受けると、ウイルスの検出率が高く、陽性の場合は 保険で抗ウイルス薬の処方が可能 になります。

当院では、インフルエンザ・新型コロナウイルスを同時に検出できる抗原定性検査を行っております。
症状が出たら、上記を目安に早めの受診をおすすめします。


💊 治療薬について(保険適用)

【インフルエンザ】

薬剤名形式特徴・効果
オセルタミビル(タミフル®)内服(5日間)最も一般的。A型・B型に有効。発症48時間以内の開始で効果。
ザナミビル(リレンザ®)吸入(5日間)吸入タイプ。内服困難な方にも適応。
ラニナミビル(イナビル®)吸入(1回のみ)1回の吸入で治療完結。小児にも使用可。
バロキサビル(ゾフルーザ®)内服(1回)ウイルス増殖を抑制。耐性株の報告あり、慎重投与が推奨される。

いずれも発症後48時間以内に服用することで、発熱期間を1〜2日短縮し、合併症を予防できます。


【新型コロナウイルス感染症】

薬剤名投与方法主な対象特徴
ゾコーバ®(エンシトレルビル)内服(5日間)12歳以上で軽症~中等症国内開発薬。ウイルス量を速やかに減らす。発症5日以内の開始が推奨。
ラゲブリオ®(モルヌピラビル)内服(5日間)妊婦以外の成人発症5日以内で有効。重症化リスクのある方に。
パキロビッド®パック内服(5日間)腎機能・肝機能に注意他薬との併用禁忌が多いため、内服薬を確認のうえ処方。

いずれも発症5日以内の内服開始が保険適用の条件です。

ただし、新型コロナウイルス感染症のお薬は窓口負担が高くなります(3割負担で1.5万円程〜)。

またご存知の方も多いかもしれませんんが、PayPayほけんでは「インフルエンザ見舞金」や「コロナ役見舞金」プランがございますので、感染リスクが高い方などへおすすめです。


🩺 早期受診のメリット

  • 抗ウイルス薬が使用できるタイミングを逃さない
  • 発熱や倦怠感の期間を短縮
  • 肺炎や中耳炎などの合併症予防
  • 家族や職場への感染拡大を防止

感染しないことに越したことはありませんが、症状が出た際は我慢やご無理をせず、医療機関の受診をご検討ください。引き続き体調管理に気をつけて、健康に秋を過ごしましょう。